山本泰八郎は、メガネ作りのすべての工程を、自分ひとりで行う職人です。メガネの生産地として知られる福井県鯖江市で、毎日メガネを手作りしています。 山本泰八郎が手掛ける泰八郎謹製のメガネ最大の特徴は、磨きにこだわっているということです。磨きの技がメガネの最終的な仕上がり具合を決めると言っても過言ではなく、こだわればこだわるほど機械で作られたメガネとは異なる風貌になります。 磨くことで生み出されるのは、微妙な丸み、なめらかさ、ツヤ、上質な光沢です。泰八郎謹製の圧倒的なかけ心地、そして肌当たりのよさも、磨くことで叶います。中学卒業後にセルロイド職人に弟子入りし、修行と経験を重ねてきた、セルロイド一筋という職人ならではの技術です。

伝統的な製法

泰八郎謹製はノー芯という伝統的な製法を用いています。セルロイドフレームでメガネを製作するときには、金属の芯を使ってメガネに強度を出すのが、一般的に多く見られる製法です。 しかし、ノー芯製法では金属の芯を使わないため、別の方法で強度を上げられるよう工夫しています。 それは、セルロイドを約3年から5年寝かせてから使用することです。弾力性と強度が出るため、時間をかけて素材を見極めます。若い年数のセルロイドは、縮んだり変形したりするため不良の原因になり、素材としては向いていません。 そのため、月に生産できるメガネの数は、230本程度が限度と言います。250本作るには、休み返上の生産体制です。 製作手順は、素材であるセルロイドを糸ノコで切り抜き、レンズを入れるための溝を掘ります。溝作りだけは高速回転する刃物の機械を使用しますが、そうはいっても繊細かつ丁寧な作業が求められる工程です。 湯せんでセルロイドが温まったところで枠の曲線をつけ、やすりで丸みをつけます。ここからは、山本泰八郎こだわりの磨きです。目の粗い布や細かい布などを使い分けて、丹念に磨きます。 最後に丁番を埋め込んで鼻当てをつけたら、泰八郎謹製のメガネは完成です。一本一本手磨きしてできるぬくもりのある柔らかい質感は、伝統とこだわりの詰まったメガネ作りをしているからこその、仕上がりと言えます。
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