コレクションの特徴
ウミットベナン(Umit Benan)は2009年に、自身の名前を冠したブランドを立ち上げ、コレクションを次々に発表しています。
ウミットベナンのコレクションには、政治的な要素を所々に含んでいると思われるところがありますが、意図的なものではなく、コレクションは自身の発想から生まれたものだと主張しています。
近年のコレクション
しかし、近年のコレクションには奇しくも、アメリカ新大統領であるドナルド・トランプ(Donald Trump)が度々問題発言をし、排除しようとしている人々、つまりテキサスで働くメキシコ人からインスピレーションを受けたものとなっているのです。
そして、このコンセプトは実に3年間にわたり取り組んできたコレクションシリーズとなっており、アメリカ大統領選挙まであと20日という絶妙なタイミングでのコレクション発表となりました。
日本初となるウミットベナンのショーには、ランウェイに砂が敷き詰められ、テキサスのサボテンを感じさせる砂漠を舞台として繰り広げられます。
ウミットベナンはトルコ人の両親によりドイツで生まれ、スイス、ミラノ、アメリカと世界の各地を渡り歩き、活動を広げてきたひとりです。
彼自身の経験から、コレクションにはノマド的な暮らしのデザインや、エギゾチックな素性のコントラストを取り上げてきました。
テキサスからニューメキシコの旅で発想を得た、2017年の春夏コレクションでは、シャープなブレザーと、パジャマ風のストライプパンツや、ストーンウォッシュのデニムにレザーのバッグなど、カウボーイを彷彿とさせるスタイリングにアメリカのワークスタイルを組み合わせたコレクションとなりました。
また、国境を取り払ったファッションスタイルで、自身の想いも主張したものなっています。
メキシコの素材と色彩に、アメリカの元々あったウエスタンを取り入れた様は、メキシコとの国境に壁を築こうと公言したトランプ氏に対する、ファッションでの抗議とも受け取れる要素を含んだものとなりました。