カラーレボリーション

ブルガリにとって、1950年代から60年代はカラーレボリューションの時代です。戦後、経済成長が進むにつれ、ブルガリのジュエリーは石を使わないゴールド基調のスタイルから、貴石をふんだんに使用したものが再び作られるようになります。 特にダイヤモンドはとてもファッショナブルなジェムとして、もっとも人気のジュエリーとなりました。ハイジュエリーはまだまだパリのスタイルを受け継いでいますが、戦前のものと比較すると、しなやかで柔らかいモチーフとなっていきます。 1950年代から60年代、ブルガリはトレンブランという花模様のブローチを数多く製作しました。これは、花かんむりをバネでマウントするという手法で作られており、常にフラワーヘッドが揺れることで優雅な雰囲気を醸し出すのです。 1950年代の終盤になると、ブルガリのデザインはパリのものとは一線を画し、独自のスタイルを築いていきます。 ほとんどがイエローゴールドを使ったものになり、定番だったダイヤモンドとエメラルド、ルビー、サファイアという3色の石からの脱却を図るのです。 本質的な価値よりも色による効果に比重を置いて石を選ぶようになります。次第に色使いは多色になり、組み合わせもより大胆になっていきました。 そして、これまで、カボション・カットは価値が低い石のためのものであるという考えが主流の中、カボション・カットの石を目立つ位置に使うことで、これに対抗するのです。 こうして、正真正銘のイタリアンジュエリーとして、ブルガリのスタイルは完全に確立されます。

多様なインスピレーション

1970年代は多面的なクリエイティビティの時代と言えます。多様なものからインスピレーションを受け、素晴らしいモチーフが多く誕生します。 例えば、インド芸術において17世紀の時代の伝統である大きなカボション・カットなどを施したエメラルドを再び流行させたのでした。また、日本の富士山の眺めを描いたブローチなども作成しています。 ポップアートの精神も取り入れ、カード遊びやトランプなど日常のものをモチーフにした遊び心のあるジュエリーも作り出すのです。 1973年にはニューヨークに店舗を構えアメリカ進出を図ります。レッドとブルーのエナメル、ラピスラズリを用いてアメリカ国旗を想起させる星条旗ラインなどを生み出しました。 形とカラーを巧みに取り入れたオプティカルジュエリーは、ブルガリのスタイルとして定着していくのです。 また、この時代になるとカジュアルにも身につけられるジュエリーとしてイエローゴールドが好まれるようになりますが、これはブルガリの功績だと言えます。
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