若き天才 イヴ・サンローラン

ディオールは亡くなるまでの数カ月の間で、次のデザイナーの育成を行っていました。 まだ21歳だったイヴ・サンローラン(Yves Saint-Laurent)に重要な仕事を任せていたこと、マルク・ボアン(Marc Bohan)にニューヨークにあるスタジオの責任者を任せていたことでした。 そしてディオールの死後、その後を継ぐことになったのが、若き天才と呼ばれていたイヴ・サンローランでした。 若くして跡を継ぐことになったイヴ・サンローランですが、1958年に「トラベラーズ」ラインを発表。才能を証明し、ディオールに認められました。

後継者 マルク・ボラン

しかし1960年の戦争に徴兵されディオールを離れることになります。その後を引き継ぐことになったのがデザイナーのマルク・ボアンでした。 最初のコレクションでタイトなスカートに、長くてスリムなジャケットを合わせ「Iライン」を表現した「スリムルック」を発表、これがヨーロッパだけでなくアメリカでも人気となります。

ベルナール・アルノーの登場

しかし30年に亘り維持し続けてきたクリスチャンディオールも衰退していきます。そこにベルナール・アルノー(Bernard Arnault)が登場し、ブランドは180度変わりました。 1989年にはオートクチュールコレクションを発表。ディオールの伝統を活かしながらも、モダンな雰囲気を取り入れ、新しい世界観を築きます。

ジョン・ガリアーノとエディ・スリマン

1996年にはジョン・ガリア-ノ(John Galliano)というデザイナーが登場。今までの「伝統の上に新しいもの」という概念を崩し、革新的なデザインでした。 2000年には、エディ・スリマン(Hedi Slimane)がデザイナーに就任し、「ディオール・オム」というメンズウエアを世界で注目されるトップにまで押し上げます。 クリスチャンディオールのモノトーンカラーパレットに、自身の細身の体型に合わせるようなとてもシャープなシルエットや、鋭く入れたカッティングを用い、男性だけではなく女性からも高い支持を得ました。 そして、その名をあっという間に世界中に知らせることとなります。そしてクリスチャンディオールは、その後も順調に経営が続いて、世界中から愛されるブランドへと成長しています。
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