最高品質の追求

1890年の創業以来、徹底したハンドメイドと伝統のクラフトマンシップによって、可能な限り最高の品質を追い求め続けてきたエドワードグリーン(Edward Green)。 イギリスの靴製造の聖地、ノーザンプトンにある同社のファクトリーでは、日々、自分たちが作ることができる最高級の靴とは?という問いへの挑戦が繰り返されています。

クリッキング

ハンドメイドの靴作りはまず、「クリッキング」という革の裁断工程から始まります。 木型から型紙を起こし、その型紙に沿って裁断するのですが、ここでほんの少しでもずれがあると、一足の靴が全て無駄になってしまう大変重要な工程です。 そのため、技術的にも難易度が高く、習得には7年かかるとも言われています。ちなみにこの「クリッキング」とは、革を裁断する専用の刃物から起こる特有の音「クリッキングサウンド」に由来しています。 クリッキングには専用の部屋が用意されており、その担当の職人は「クリッカーズ」と呼ばれます。 かつてノーザンプトンでは、クリッカーズ専用のパブがあったほど、職人の中でも特別な地位にあり、敬意を払われていたそうです。 また、素材となる革はその品質を厳選されるため、通常なら1頭分の革から8~10足分のパーツが取れるところ、エドワードグリーンでは多くても4足分しか取れないのだと言います。

ソーイング

クリッキングができたら、次はクロージングルームという部屋に移されます。ここでは靴のアッパー部分を縫い合わせる「ソーイング」が行われます。 エドワードグリーンのファクトリーでは、同じ工程を複数の職人で担当していることがほとんどなく、数ある工程をそれぞれ一人の職人がエキスパートとして担当するため、個々のスキルが高いレベルにあって初めて成立するシステムとなっています。 例えば定番モデル「ドーバー」のアッパーのU字部分は、古来からの伝統の技法スキンステッチが用いられていますが、この技法では通常の金属製の針が使えないため、イノシシの剛毛(ビッグ・ブリッスル)を割いて撚り合わせた特殊な針を使って、1mmに満たないスリットを通して縫い上げなければいけません。 この非常に高い技術を習得しているのは、エドワードグリーンでも2人しかいないと言います。

ウェルティング

その後、インソールを作り、アッパーの釣り込みをして、ウェルト、底革、ヒールを付けるという「ウェルティング」が行われます。 「釣り込み」とは、アッパーを木型に合わせて靴の形に成型する作業で、エドワードグリーンでは、クオリティを上げるため、トゥとウエスト、ヒールの3か所をそれぞれ別の職人で行うことで、きめ細かく丁寧に釣り込みをしています。 ウェルティングの工程はエドワードグリーンでも機械で行われますが、中底下にコルクを敷く段階では、レザーライニングのソールと、コルク、レザーソールの3層構造とすることで、履き込むほどにオーナーの足の形にフィットする、同ブランド特有の履き心地を生み出しています。

ポリッシング

最後の「ポリッシング」の工程では、それぞれのカラーに合わせて色付けされたクリームを塗り込み、丹念にポリッシュします。そしていったん寝かされ最終仕上げとして、ジョン・フルスティックが考案したアンティークフィニッシュを塗って、さらに磨き上げられます。 このように、最初から最後まで徹底した品質管理と、熟練の職人たちの連携によって、エドワードグリーンの靴は一足一足自信をもって、世に送り出されているのです。
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