パウラ・ジェルバーゼ(Paula Gerbase)の就任

2015年より、ジョンロブのクリエイティブディレクターに就任した、パウラ・ジェルバーゼ(Paula Gerbase)。150年以上の伝統を誇るジョンロブにとっては画期的とも言えるできごとが、このパウラの就任でした。 父はイタリア人で母はドイツ人、しかもブラジル生まれで、イギリスのファッションの名門校、セントマーチンズ入学前はニューヨークやスイスでも学んでいた、という多国籍にしてノマド的な環境で育ってきたパウラ。 長きに渡るしきたりの中で熟成されてきたジョンロブの工房においても、パウラの就任は、まるで地球外からエイリアンがやってきたかのような驚きをもって、迎え入れられたようです。 ですが、彼女が徐々にブランドのビジョンを明確にしていくにつれて、その職人たちの間にも、新たなコレクション、新たなジョンロブに携わることができるワクワクが広がっていったのだと、パウラは語っています。

ジョンロブについての熟知

彼女は、ジョンロブのクリエイティブディレクターに就任後、具体的なデザイン作業に入る前に、まず一人の人間として、ジョンロブについてもっと知るべきだと考えました。 そこで、古文書をあたって創業者ジョンロブについて調べたところ、彼が21~22歳の時に経験したロンドンへの旅が、ブランドの原点になっていることを知ったのです。 ジョンロブは農家に生まれたものの、事故で足が不自由だったため、19歳の時に都会の靴職人のもとに修業に出され、その後ロンドンに向かいました。 ですが結局、職を得られずオーストラリアに渡り、やっと開業することができたのです。そういったジョンロブの過去に触れるのと同時に、パウラは、自ら歩いてその追体験の旅を敢行したのだそう。 ジョンロブの故郷であるイギリス南西部のコーンウォールに行き、家族や古い帳簿、レシートなどのビジネスのアーカイブに触れました。 そして、そこで目にした様々な光景にインスピレーションを得ながら、「歩く」ということを、ジョンロブにおける自身の初コレクションのメインテーマに置いたのだと言います。

納得の経歴

実はパウラは、セントマーチンズ在籍中には既に、伝統のサヴィル・ロウで修業をすることを決意。ハーディエイミス(Hardy Amies)でプレンティス(働きながら仕事を学ぶ人)を始めます。 さらに老舗テーラーであるキルガー(Kilgour)に移籍、5~6年ほどの経験を積んでいます。そこは最初の3ヶ月は生地に触る事すら許されないほど、厳格で妥協を許さないテーラーメイドの世界でした。 そのような経歴を持つ彼女ですから、世界最高峰にして英国伝統の靴ブランドであるジョンロブの目にとまったのも、ある意味必然であったのかもしれません。

ジョンロブに新たな風を

パウラ・ジェルバーゼは、ジョンロブのクリエイティブディレクター就任後、ブランドロゴも刷新しています。 ですがこれは驚いたことに、彼女がデザインした新しいものではなく、原点を追う旅の中でアーカイブから見つけた、オリジナルパッケージに使われていたロゴなのだそうです。 彼女にとっては、その旅で見つけたアーカイブは、全てが伝統的であり革新的でした。今回の様々な刷新は、ブランドの原点に対するオマージュであり、そのストーリーを伝えていくのが第一の仕事なのだ、と語っています。
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