1896年に起源を持つヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef&Arpels)が、時計の製作を始めたのは1910年です。腕時計の時代がスタートした当初からヴァンクリーフ&アーペルも手掛けていたものの、当時は貴金属や宝石できれいに施された時計ケースのみを製作していました。 本格的に時計事業を始めたのは、リシュモングループの傘下に入った1999年です。それから現在にいたるまで、ケースやダイアルは自社で製作され、中身のムーブメントはピアジェ(Piaget)、もしくはジャガー・ルクルト(JAEGER LECOULTRE)などの機械をベースにし、製造を行っています。より複雑なモデルを製作する時には、特殊時計工房であるアジェノー(Agenhor)社に協力してもらっています。 ヴァンクリーフ&アーペルの時計のコンセプトは、ポエティックコンプリケーションです。マーケティングウォッチマネージャーの役割を担う、ルイ・ド・メッケンハイム(Louis De Meckenheim)氏が、時計のデザインを考案しています。ジュエラーの彼は時を巡る物語を表現するために、時計の製作に励んでいるようです。 詩的な価値観を時計に持たせているそのスタイルは、他に多くの類を見ないものとなっています。ただ時を刻むだけではない、時計のさらに魅力を感じられるアイテムです。 その一例として、ポン・デ・ザムルーというジュネーブ・ウォッチ・グランプリ(2010年)にてレディース部門に輝いた時計は、男女がパリのセーヌ川にかかるポンデザール橋の中央でキスをしているデザインになっています。コントルジュールと呼ばれる、エナメル技法を使っているため、幻想的な時計です。 他にも、世界中の文化を元にした各地のストーリーから得たインスピレーションで、様々なデザインを生み出しています。 アートであり工芸品でもある、ヴァンクリーフ&アーペルの時計たちは、ダイアルの装飾方法でも高い評価を受けています。まず、叶えたいデザインを決めてから、それを最も美しく表現するためにどんな美的技法が適しているか考えるのが、ヴァンクリーフ&アーペルの時計の作り方です。最高の時計を作るために、世界中にある美的技法をスタッフが常に情報収集しています。 実際に、日本の漆工芸のひとつである蒔絵も、ヴァンクリーフ&アーペルのジュエリーと時計、どちらにも採用されました。ルイ・ド・メッケンハイム氏は、「最適な美的技法が見つからなければ、時計にはならない」と語っています。今後も色が変化するダイアルを作ってみたいなど、ロマンティックな時計のデザインはふくらむばかりのようです。
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