アバケ(Abake)とは、4人のグラフィックデザイナーが、共同でプロジェクトを行っている集団の名前です。同じくクリエイター集団が共同で活動を行うファッションブランドとして、メゾンキツネ (MAISON KITSUNE)が挙げられますが、メゾンキツネは主に音楽活動を中心とした活動を行うレコードレーベルとしての機能を担っています。一方でアバケは、アート分野を担うブランドとして位置づけされました。 主な活動拠点をイギリスとし、呼び方はアバケ以外にも「オーベーク」「オバケ」など人によってさまざま。アバケという名前には「不器用な」という意味が込められていると言います。構成メンバーは、マキ・スズキ(Maki Suzuki)、パトリック・レイシー(Patrick Lacey)、カイサ・スタハル(Kajsa Stahl)、ベンジャミン・ライヘン(Benjamin Reichen)の4人で、出身国もイギリス、フランス、スウェーデンとバラバラですが、現在はロンドンに在住し、活動しています。 アバケは、ロンドンにおいて、ワークショップやレクチャーなど多岐にわたるユニークな活動を行っており、これまでは、歌手などのアーティスト、家具デザイナーやファッションデザイナー、雑誌や映画、大学、建築家、美術館など幅広いクライエントと共にプロジェクトを行ってきました。 日本では「Total Trattoria」と呼ばれる夕食会のイベントを定期的に行っており、出される食事や、使用される食器、机、その他必要なグッズをアバケがデザインし、友人たちをもてなしています。 2003年の5月には、日本で最初となった展覧会GASを中目黒にて行いました。展覧会は大きく分けて3つのパートに分けられ、ロンドンから日本に来る移動の間に行った活動についての展示や、交換会という、それまで行ってきた仕事とのつながりを展開したものなどが展示されています。 通常の展覧会では見られないような、食べ物が入ったままの冷蔵庫に作品を貼って展示したり、こたつ机の上に作品であるテーブルクロスやお皿を展示したりと、展示方法もユニークです。 アバケのメンバー4人に、さらにマサヤ・クロキとギルダス・ロアークの2人を加えた、アバケを母体とするブランドがメゾンキツネで、ファッションブランドの他、音楽レーベルとしても2001年から活動しています。2003年に行われたGASでは、広島の原爆被災者である女性のストーリーをもとに、カバーデザインを行いました。

【RINKAN公式SNSにて最新情報配信中】