Y's(ワイズ)とは、1972年に山本耀司が設立した会社名であるのと同時に、その年から始まった山本にとって最初のブランドでした。男性の服を女性が着るというコンセプトのもと、自立した女性をテーマとしたレディース専門のラインです。 よくY'sは、Yohji Yamamotoのセカンドラインだと思われていることがありますが、実際にはブランド創設もY'sのほうが先で、Yohji Yamamotoは山本自身のクリエーションの実験的なブランドであるという位置づけのようです。そのため、客層はハイエンド向けで、Y'sはより幅広い層を対象にした服作りとなっています。 コムデギャルソンと共にパリでコレクションを発表し、ボディコンシャス全盛の時代に、アシンメトリックなカッティングや、体と服の間に空気を含ませるような独特のシルエットで全世界に衝撃を与えたヨウジヤマモト。素材感でみせるレイヤードやドレープなどの独自のスタイルは、ファッションの美的感覚を書き換え、男性的とも女性的とも言える表現でジェンダーのアイデンティティを打ち破ったとまで言われました。以来、カッティングとシルエットにこだわり続け、素材の風合いを活かすこと、身に着けることで生まれる人体と服の間の空気感やバランスを大切に、服作りを続けてきました。 そんなY'sが2012年、ブランド創設から40年の節目を迎えて、さらなる進化を図るためブランドの刷新をしました。新生Y'sで中心となるのは、山本耀司の下で経験を積み、彼の哲学を継承している若いデザイナーやスタッフたち。今までのブランドコンセプトはそのままに、"今"の空気感と「着たい物を作る」という自由な発想をプラスし、今後の新たなクリエーションを担っていくことになったのです。 また、2014年春夏には、2人の若手のデザイナーによる新ラインをそれぞれスタートさせます。1人は、東京モード学園を卒業、Y'sのパタンナーとして10年のキャリアを持つ高坂岳史。そしてもう1人は、ロンドンの名門芸術校セントマーチンズのファッションデザインウィメンズ専攻を卒業後、株式会社ヨウジヤマモトにてYohji YamamotoやY'Sの企画に携わってきた、松嶌里沙です。 高坂は、山本から学んだ「瞬発力のある物の見方」を活かして、時代を反映する感性とY'sらしい隙のないディテールで魅せる「TAKESHI KOSAKA by Y's Pink Label」(タケシコウサカ・バイ・ワイズ・ピンクレーベル)を担当。テーラードやミリタリー、ワークスタイルなどの男性的な要素に、女性らしく見せる素材感やコーディネートを落とし込んだコレクションを展開しています。 一方の松嶌が手掛ける「RISMAT by Y's」(リスマット・バイ・ワイズ)は、シンプルなディテールが特徴的で、ミニマルなデザインとシルエットで魅せる作りとなっています。ニットなどを中心として、生地の重量感や揺れ具合などまで計算に入れた、完成度の高い服作りを目標としています。 さらに2014-2015年秋冬には、ドレスラインとして「MICHIKO by Y'S」(ミチコ・バイ・ワイズ)、シューズラインとして「KAYO NAKAMURA by Y'S」(カヨコナカムラ・バイ・ワイズ)、スケーターテイストを打ち出した「GYPSY」(ジプシー)と、次々に新ラインを発表しました。 自身が第一線のデザイナーとして活躍しながらも、若い才能を開花させるべくサポートしている山本耀司とY's。さらなる新しい才能の台頭に、期待が高まるところです。
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