マダム・カルヴェンが1945年に設立した「カルヴェン(CARVEN)」、1997年に彼女が引退してからアーティスティック・ディレクターとして迎えられたのはギヨーム・アンリでした。彼はフランス生まれの35歳、2000年にエコール・デピュレを卒業後、パリのモード大学に進み、過程を修了しました。その後「ジバンシィ(Givenchy)」や「ポール・カ(PAULE KA)」でデザイナーとしての経験を積んでいきます。 ギョーム・アンリを迎えたカルヴェンは、2010年春夏シーズンよりプレタポルテラインをスタートさせてファッション業界から大きな注目を集めます。彼は、オートクチュールブランド、カルヴェンの繊細で優雅なデザインに敬意を表し、その意思を引き継ぐとともに、独自のデザイン哲学を融合させることに成功しました。2012年にはメンズプレタポルテラインを発表しカルヴェンをプレタポルテブランドとして大きく飛躍させたのです。 また、ギョーム・アンリはプレタポルテブランドの価格帯にも一石を投じました。プレタポルテブランドは、デザイン、素材などで差別化を図るために、価格が必然的に高くなってしまいがちです。しかし、ギョーム・アンリは、デザインは優れているが高い服、安いが量産されている服、の二極しかないファッション業界に疑問を感じ、素材や製造過程に工夫を施し、オリジナルのスタイリングが楽しめ、尚且つ手が届きやすい価格を目指したデザインを行いました。 2014年、ギョーム・アンリが辞任したのち、後任に選ばれたのはベルナベ・アルディです。彼はフランス出身のデザイナーです。彼は1999年から2007年までの8年間、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」にて、デザイナーのニコラ・ゲスキエールのもとでメンズラインのデザインを担当していました。その一方で2001年、「Minets par Barnabé」というブランドネームを施したスパンコールを刺しゅうしたスウェットシャツのコレクションを発表します。2009年には別のブランドとしてレザージャケット、バッグのデザインも手がけました。 2016年春夏のコレクションよりデビューした彼のメンズコレクションは、グラフィカルでアーティスティックながらも、カジュアルでリアルという、昼でも夜でも、オンでもオフでもオールタイム機能するデザインが特徴です。彼は、これまでギョーム時代のカルヴェンが築き上げてきた都会的スタイルに落ち着きと男性らしさをプラスさせ、また進化したカルヴェン像を作りだすことに成功しました。また、2016年春夏アイテムのデザインには、彼のラッキーアイテムであるイチョウを多用するという、遊び心満載のチャーミングな一面をのぞかせています。 ベルナベ・アルディは2016~2017年秋冬コレクションを最後にカレヴェンを去り、それに伴い、同ブランドはメンズラインの一時休止を発表することとなりました。
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