シャネルが腕時計の業界に参入したのは1987年のこと。ブランドそのものが100年以上続いているのに対して、まだ30年ほどという意外に歴史の浅い部門です。 シャネル初の腕時計モデルは「プルミエール」コレクションでした。ですが、当時のヨーロッパの時計市場は、専門でもない、しかも後発組のシャネルが参入するにはハードルが高く、実力派のスイス勢ブランドがひしめく中に割って入るには、困難を極めたのです。 そこでシャネルは、腕時計に対して、装飾品としての側面からアプローチして、いかにもシャネルらしい腕時計、見た目にもエレガントな腕時計を打ち出しました。それが「プルミエール」だったのです。以降、シャネルらしさを打ち出したフェミニンでエレガントな時計だけでなく、高い機能性を備えたメンズモデルなども展開し、いずれもヒットモデルとなるような腕時計をリリースしてきています。

プルミエール(Premiere)

一目見てシャネルとわかる、レザーのレースを編み込んだチェーンブレスの他、シャネルの看板フレグランス「No.5」のボトルストッパーやパリの名所ヴァンドーム広場からインスピレーションを得たオクタゴン(八角形)のケースは、シャネルらしい個性に溢れています。2008年にはブレスレットのコマにセラミックを採用した「プルミエール セラミック」も登場。2013年には、機械式時計の中で最高峰の複雑機構であるトゥールビヨンを搭載したモデルも発表され、その価格はなんと3000万円を超えるものでした。

マドモアゼル(Mademoiselle)

かつてのマドモアゼルは、スクエア(正方形)のケースにアラビア数字で刻まれた文字盤が、シャープな雰囲気を醸し出すモデルでした。2013年からは、ラウンドケースの「マドモアゼル プリヴェ」(Mademoiselle Prive)となって、シャネルのアイコンであるカメリアの花や星のモチーフを、マザーオブパール、ダイヤモンド、K18ゴールドなどであしらったモデルとなっています。37.5mmの小さな円形の中に、絵画のような芸術的モチーフが描かれており、女性らしさとエレガンスに溢れたモデルです。

マトラッセ(Matelasse)

その名が示す通り、シャネルの代表的なデザインであるダイヤパターンのキルティング「マトラッセ」をそのままブレスレット部分に落とし込んだモデル。スクエアケースにほぼ等幅でつながるブレスレットは、マトラッセパターンが光の加減で煌びやかな表情を見せてくれ、腕時計というよりブレスレットのような感覚で身に着けられます。

ボーイフレンド(BOY・FRIEND)

プルミエールに似た、一見レクタンギュラーに見えるオクタゴンケースが特徴のボーイフレンド。ベルトにはブラックのクロコダイルなどを使い、ソリッドで引き締まったフェイスに仕上がっています。繊細でありながら確かな存在感をアピールするそのマスキュリンなルックスは、男性的なものの中から女性らしさを見出してきたシャネルならではでしょう。

ムッシュー ドゥ シャネル(Monsieur de CHANEL)

2016年リリース、シャネル初の自社製ムーブメントを搭載した男性向けモデルが、このムッシュードゥシャネル。秒針は「レトログラード」を採用、240度の広角で広がっているため視認性が高いのが特徴です。レトログラードとは、針が扇状の文字盤を進み、目盛りの終点まで到達するとフライバックしてゼロ地点まで戻る機構で、見た目にも楽しめます。また、6時の位置にあるジャンピングアワー(時刻を示す小窓)も見やすく、シンプルなデザインの中に、高度なメカニズムとモダンでスタイリッシュなビジュアルが共存しているモデルです。
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