バーキン誕生の秘密

エルメスの代名詞とも言える定番バッグ、バーキン(Birkin)。このバーキンが、イギリスの歌手ジェーン・バーキンの名前を取ったものであるのは、あまりにも有名な話です。 1984年、当時エルメスのCEOであったジャン・ルイ・デュマが、たまたま飛行機でジェンー・バーキンと隣合わせの席になった時のことです。 彼女がなんでもかんでもカゴバッグに詰め込んでいるところや、その中身を床にぶちまけてしまったのを見ていたジャン・ルイ・デュマが「いくつかポケットのあるバッグがいいですよ」と勧めたと言います。 それを聞いたバーキンは、相手が誰なのか知らないまま「エルメスがポケットの付いたバッグを出したら買うんですが」と答えたそうです。その会話がきっかけとなり、彼女のためにデザインされたバッグ、バーキンが誕生しました。

女性たちを虜にするバーキン

以来、その収納力や機能性の高さ、丈夫な作りと品質の良さ、エレガントな佇まい、一生使えるスタンダードなデザインなどで世界中の女性たちを虜にしてきました。 キーホールやカデナ、フラップを押えるクロアなどのエルメスらしいディテールも、人気の理由でしょう。そのあまりの人気の高さ故、ウェイティングリストに名前が載っても、手にするまで何年待つかわからないと言われています。 また、通常定価でも最低100万前後はするバーキンですが、年々価格が高騰しており、投資対象としても純金や株より「バーキン」が良い、という報告まで出ているほどです。 年平均14%以上は値が上がり、しかもマイナスの年がないというのですから、その価値は大変なものと言えます。最近では2016年の4月に行われたオークションで、29万8000ドル(約3260万円)という史上最高の落札額が付きました。 この時に最高価格が付いたバーキンは「ブレイズ」と言われる赤を基調した色合いの物で、10カラットを超えるダイヤモンドや18Kホワイトゴールドが金属パーツに使われているゴージャスなモデルでした。 サイズ展開としては、バーキンは主に25から40の間で4つ展開しており、かなり雰囲気も変わってくるため、持つ人の体格や用途に合わせて選ぶことになります。

「バーキン25」

横幅約25cm×高さ約20cm×マチ約14cm。最も小さいサイズでコンパクトながらも、マチがあるため、必需品などは十分収納できるサイズです。スマートフォンと長財布やカードケース、ちょっとした化粧ポーチ程度なら問題なく入ります。

「バーキン30」

横幅約30cm×高さ約22cm×マチ約16cm。こちらもやや小ぶりに見えますが、バーキン25に比べて5cm大きいだけで収納力はかなり向上します。タブレット端末なども入るでしょう。適度な収納力と重すぎないサイズ感で、日本人女性ならちょうどいいサイズとして人気が高いサイズです。

「バーキン35」

横幅約35cm×高さ約25cm×マチ約18cm。最もバーキンらしさが発揮されるサイズでしょうか。バーキン30と人気を二分していますが、持った時の存在感では、やはりこちらのバーキン35のほうが評判はいいようです。ただし、バッグ自体がかなり重くなることもあり、海外での人気サイズが、この35か40あたりです。

「バーキン40」

横幅約40cm×高さ約30cm×マチ約21cm。初めてバーキンが作られた時のサイズが、このバーキン40です。そのため「ファーストバーキン」と呼ばれています。日本人よりも大柄な海外で人気のあるサイズで、なんでも入れられる大容量が魅力です。 その他、あまり見かけない「バーキン45」や、縦横の比率が横に長い「ショルダーバーキン」などもあります。 素材の定番人気は、やはり牛革のタイプです。ヴォー・エプソン、トゴ、トリヨンクレマンスなど型押しを施したものは、落ち着いた上品な質感で、キズが目立ちにくく、コシや耐久性があり、経年変化に強いのが特徴です。 個性をアピールしたい時は、リザードやクロコダイルなどのエキゾチックレザー、独特のシボ(斑点のような隆起)が特徴的なオーストリッチ(ダチョウ)などがいいでしょう。他と違う存在感を放ってくれます。ただし、クロコダイルなどは近年の価格高騰で数百万の値が付くこともあるので、なかなか手が届かないモデルとなっています。 普段使いにも合うカジュアルなタイプとしては、「トワルアッシュ」(Toile-H)というキャンバス地のものもあります。これはエルメスの中でも最もベーシックなキャンバス地で、摩擦に強く丈夫な平織りで作られています。

命名主との問題

1984年の発売以来、エルメス随一の人気バッグであり続けてきたバーキンですが、近頃、命名の由来であるジェーン・バーキンからエルメスに対して、自分の名前の付いたクロコダイルのバッグから、名前を外してほしいという要求がありました。これは、アメリカの動物愛護の非営利団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会」(PETA)の報告がきっかけとなっています。 その報告書では、「クロコダイル革の素材となるワニたちが、製造過程において何時間も苦しみもだえるような残虐な殺され方をしている」とされており、それに対してジェーン・バーキンが「私の名前を冠したバッグを作る過程で、ワニが残虐な殺され方をしています。改善措置が取られるまで、そのバッグから"バーキン"の名前を外すよう、エルメス側に要請しました」との声明を発表したものです。 これを受けてエルメスは、養殖場を全て調査し、今後違反行為をした場合、一切の関係性を断ち切ると明言しました。さらに、アメリカにおける革のサプライヤーについては、厳しい基準をクリアした業者のみとしか取引しない、ともしました。 エルメス・アンテルナショナル社は「私たちは、動物を倫理的に扱うことを献身的に継続していくべきだと考えさせられた」「今回の私たちの対応に、彼女も満足している」と述べており、ジェーン・バーキンも要請も取り下げています。 これによって現在は和解に達しており、今後も彼女の名を冠したバッグは、「バーキン」としてエルメスの看板バッグであり続けることとなるでしょう。
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