コンセプトショップ ドーバーストリートマーケットとは

コムデギャルソン、川久保玲が仕掛けるコンセプトショップ「ドーバーストリートマーケット」(DOVER STREET MARKET)のはじまりは、2004年。ロンドンにある高級住宅街メイフェアのドーバーストリート沿いに作られたのが、その名前の由来です。

このショップのコンセプトは「Beautiful Chaos」(美しいカオス)。このコンセプトについて、川久保玲自身はこう語っています。

「一人ひとり様々な背景を持つクリエーターたちが、『美しいカオス』というコンセプトのもとに集い、新たな価値を創造していく場を作りたい。それぞれに強いヴィジョン、価値観を持つ個性豊かな魂たちが、混ざり合い影響し合う空間です」と。

ドーバーストリートマーケットが取り扱うブランド

ドーバーストリートマーケット(以下DSM)がセレクトするブランドは様々です。

プレイ・コムデギャルソンやノワールケイニノミヤなどの自社ブランドをはじめ、ルイヴィトン、ヴァレンチノ、グッチ、バレンシアガ、プラダなど歴史の古いビッグメゾン、

ドリスヴァンノッテン、メゾンマルジェラ、リックオウエンス、トムブラウン、などデザイナーズブランド、クロムハーツのようなシルバーブランド、

マッキントッシュやヴィズヴィムといった良質なカジュアルブランド、

アベイシングエイプやシュプリームなどのストリートブランド、

新進気鋭の若手ブランドまで、そこにはメンズもレディースも、ブランドのテイストも一切関係なく、全ての垣根を取っ払って、DSMの感性に響いたものだけがセレクトされていきます。

それらのブランドが、巨大な売り場スペースの中に個々の占有スペースを持ち、思い思いのディスプレイによって展示されています。そのディスプレイはブランド自身が行い、コムデギャルソン側は一切ディレクションしないというスタンスがとられています。

また、フロアの中では、世界中の彫刻家やデザイン・建築スタジオなど様々なアーティストのオブジェが売り場の一部として使われており、まさにファッションとアートが融合した一大スペースとなっています。

ドーバーストリートマーケットの考え方

DSMの考え方やセレクトについて、川久保玲は次のように語っています。

「オーダーしたいと思えるのは、新しいことをやっている人です。立ち上げたばかりのデザイナーの展示会からはエネルギーをもらうし、教わることもあります」

「若いデザイナーに場所を提供することで、仕事が広がるきっかけになればいいなと思っています」

「ビジネスとして坪効率が合わないこともありますが、気にしません。それが存在することで数字以上の効果をもたらすこともあります。お店全体で強くなること、バランスが大切です」

「売り場は、入れ物がしっかりしていれば、その中に入る物が多少混沌としていても良い効果になります。入れ物にきちんとした主張があれば、その中に多少間違った物が入っても成立します。だから中身も大事だけど、入れ物も大事なのです」

ドーバーストリートマーケットの店舗展開

現在、DSMは世界中で3店舗を展開しています。

まず1号店であるイギリス、ロンドンのドーバーストリートマーケット(DOVER STREET MARKET)、そして2つめは2012年3月にオープンした東京、銀座のドーバーストリートマーケットギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)、3つめはドーバーストリートマーケットニューヨーク(DOVER STREET MARKET NEW YORK)で、2013年12月にオープンしました。

DSMニューヨークは、マンハッタンにあるニューヨーク女子美術工芸大学をリノベーションして作られ、地上7階、総面積1,674平方メートルを誇る巨大商業施設となっています。

オープン記念では、シュプリームのTシャツやマスターマインド×ブラック・コムデギャルソン×ドーバーストリートマーケットニューヨークのスウェットなどが販売され、建物の周囲を取り巻くように長蛇の列ができたそうです。

この地域はファッションエリアではないものの、DSMニューヨークの出現で、今後の同地区がどのように変わっていくのか注目されています。

また、2016年3月には、1号店であったDSMロンドンが、ロンドン中心部のヘイマーケットにある旧バーバリー本社に移転しました。この移転により、売り場面積は以前の3倍となる3,000平方メートルを超える巨大ショップへと変貌を遂げました。

その中では、前述したコンセプトの通り、様々なブランドが自身で思い思いのディスプレイスペースを作り上げています。DSMロンドンに出店しているJ.W.アンダーソンも「デザイナー自身が、商品もどう売るか考えるべきだと思う。ここでは服やバッグなどの商品だけでなく、ブランドの世界観そのものを表現できる」と語っています。

DSMロンドンの地下フロアにスペースを持つことができたロンドンの新進ブランド、クレイグ・グリーン(CRAIG GREEN)も「DSMにコーナーが持てるのは、若いデザイナーにとって夢なんだ」と言っているように、DSMで取扱いがあるというのは、まだ名の知られていないブランドとってプレミアになります。

一方のDSM側も、そのブランドが飛躍をすればセレクトセンスを証明できるという、相互にメリットを享受しあえる仕組みを作り上げた点も、DSMのすごさと言ってもいいでしょう。

川久保玲の発想力と、各ブランド、デザイナーの感性が融合する場所、ドーバーストリートマーケット。既存のセレクトショップの枠にはまらない世界観を見せてくれる、ファッション、アート好きにとってはたまらない空間と言えるかもしれません。

コムデギャルソンの買取についてはこちら»