ルイヴィトンの中で最も有名なラインと言えば、やはりモノグラムでしょう。英語で「組合せ文字」の意味を持つモノグラム(Monogram)が、日本の家紋からヒントを得ている、というのは比較的有名な話ではないでしょうか。 モノグラムラインは1896年、当時の2代目であるジョルジュ・ヴィトンによって、巷に氾濫するコピー品への対策として発表されました。その頃ヨーロッパではジャポニズムが流行しており、以前のコピー品対策であったダミエより、もっと複雑なパターンが必要だと考えていた時に、日本の家紋からインスピレーションを得たようです。 確かに、モノグラム柄のひとつひとつのアイコンを見ていると、どれも家紋にありそうなデザインですし、ジャポニズムブームが巻き起こっていたパリでは、日本の家紋を紹介する本がベストセラーになっていた、との話もあるくらいです。 以来120年に渡ってルイヴィトンを代表するラインとして続いてきたモノグラム。その長い歴史の中で、派生したラインが多数登場しています。

モノグラム・グラフィティ(Graffiti)

1980年代に活躍したアメリカのアーティスト、スティーブン・スプラウスとのコラボレーションによるグラフィティ。2001年の春夏に発表されました。マーク・ジェイコブスが友人の女優シャルロット・ゲンズブールの家で、落書きされたモノグラムのトランクを見たのがきっかけだと言われています。ただ残念ながらスティーブン・スプラウスは、2004年に50歳の若さで亡くなっており、追悼の意を込めてグラフィティは2009年に復活しています。

モノグラム・マルチカラー(Multi Color)

マルチカラーは2003年の春夏コレクションで登場したラインです。日本人アーティスト、村上隆との初めてのコラボレーションで生まれました。その名のとおり、モノグラムのひとつひとつのアイコンが様々な色で染められており、使われている色は合計33色にも及びます。ベースとなる背景色はブロン(ホワイト)とノワール(ブラック)の2色展開です。

モノグラム・ヴェルニ(Vernis)

マークジェイコブスの地位を揺るぎないものにしたのが、このヴェルニ。エナメルカーフにモノグラムの型押しを施したヴェルニは、艶やかな光沢がゴージャス感を演出し、女性に絶大な支持を得ています。ヴェルニ(Vernis)とはフランス語で「エナメル」を意味しています。

モノグラム・ペルフォ(Perfo)

2006年に登場したペルフォ。靴などでも、大小様々な穴を開けて装飾することを「パーフォレーション」(perforation)と言いますが、そこから転じたものが名前の由来です。モノグラム地にパンチングを施してあり、その穴からヴィヴィッドなカラーのライニングが覗いているのが特徴です。ピンクのライニングの「フューシャ」のほか、「オランジュ」、ライムグリーンの「ヴェール」などのカラーバリエーションがあります。

モノグラム・チェリーブラッサム(Cherry Blossom)

こちらも村上隆とのコラボレーションラインで、2005年に登場しました。モノグラムの上に描かれる桜の花柄が、「和」のテイストを感じさせながらもポップな印象です。よく見ると桜の花の中央にはかわいらしいスマイルマークが描かれており、キュートな魅力に溢れているあたりも女性に人気の理由でしょう。

モノグラモ・フラージュ(Monogramouflage)

2008年秋冬に発表されたモノグラモ・フラージュ。こちらも村上隆とのコラボレーションで生まれたラインです。グリーン系を基調とした迷彩柄の中にモノグラムが隠れているという斬新なデザインが話題を呼びました。ライン名も「迷彩」を意味する「カモフラージュ」の発音を継承して「モノグラモ」となっているあたり、ウィットが利いています。

モノグラム・ローズ(Rose)

グラフィティでコラボレーションしたアーティスト、スティーブン・スプラウス。彼が急逝したことで、オマージュとして誕生したのがこのモノグラム・ローズです。モノグラム柄の上には、スティーブンが生前愛した花、バラが色鮮やかに描かれています。2009年のコレクションでリリースされました。

モノグラム・ウォーターカラー(Water Color)

アメリカのポップカルチャーを題材とするアーティスト、リチャード・プリンスとのコラボレーションで生まれたのがウォーターカラー。2008年の春夏に発表されました。ベーシックなモノグラムの上に、17色をミックスして手書き風のペイントで描かれたモノグラムが重ねられており、水彩画のようなにじみやかすれが特徴です。

モノグラム・エクリプス(Eclipse)

2016-2017秋冬コレクションから登場した最新のモノグラムが、このエクリプス。「エクリプス」とは「日食」を意味しており、ギリシャ語では「力を失う」という意味もあります。まるで全てを吸い込むかのようなブラックとグレーの陰影、しっとりとしたマットな質感がクールな印象で、大人の男性のための新しいアイコンとなりそうなラインです。メンズのアーティスティックディレクター、キム・ジョーンズは、ルイヴィトンのアーカイブである、ブラックキャンバスのトランク「マル・クーリエ」からヒントを得て、このラインを生み出しました。 その他、モノグラム・スウェード、モノグラム・マット、モノグラム・レザー、モノグラム・ベキア、モノグラム・シマー、モノグラム・ミロワールなど、挙げればキリがないほど多彩なバリエーションが展開されています。それだけモノグラムは、ルイヴィトンにとって重要なデザインであると同時に、アレンジの利く不朽の定番であるということなのでしょう。
ルイヴィトン 高価買取いたします »